カラーセラピーと高度消費社会の信仰
ニューエイジ、スピリチュアル、自己啓発とは何か?
加藤有希子(著)
判型:四六判並製
頁数:222頁
定価:2500円+税
ISBN:978-4-8010-1008-6 C0010
装幀:宗利淳一
病理か、希望か
21世紀の私たちは何を祈り、何を信じているのか? 性格診断、陰謀論、オーガニック信仰、新興右翼政党……宗教も科学も信じられなくなった私たちが拠り所とする〈キッチュな信仰〉の落とし穴と、それらに託された希望の正体にせまる。
【目次】
プロローグ 鳥居の前で立ち止まる――2015年から2026年へ
第1章 キッチュの逆襲――2020年代の信仰と消費
「飢える日本」――経済不安と小さな不幸の劇場化
救済の民主化――スピリチュアルは女性の特権ではなくなった
「偶然の一致」が世界を説明する――非因果的連関の拡大解釈
「物語に傷ついた者たち」の帰依先――その反知性主義は致死的か?
消費社会の転倒――信仰の消費から、消費としての信仰へ
「キッチュの権力化」と政治神話
救済の即時性とその危険――キッチュのエピステーメー
末期的消費社会(?)から2015年を振り返ろう
第2章 現代のカラーセラピー――オーラソーマという「キッチュ」
報告DAY 1(2014年8月20日)
報告DAY 2(2014年8月21日)
報告DAY 3(2014年8月22日)
報告DAY 4(2014年8月27日)
報告DAY 5(2014年8月29日)
報告DAY 5(2014年8月30日)
第3章 消費されるシンクロニシティ――日常の中の小さな狂気
大切すぎる自分――マトリョーシカの幻想
個人主義勃興――背後にある自己へのゆさぶり
自己をあけ渡さざるをえないとき
シンクロニシティの狂気
第4章 神なき時代の処方箋――ナラティヴのおそるべき力
「自分を知る」とは実のところ何なのか
物語のすさまじい力
苦悩できない苦悩
第5章 積極思考の功罪
積極思考、その広がりと漠然とした違和感
積極思考、その歴史
積極思考の「罪」――漠然とした違和感のわけ
積極思考の「功」――ハッピーエンドを期待することの意味
補遺章 チャクラとオーラの種明かし――確信犯C・W・リードビーター
チャクラとオーラ、現在共有されている言説
C・W・リードビーターの虹色チャクラ
インドの文献との比較
リードビーターとオーラ
差別の温床としてのオーラ言説
虹を導入したことの意義・帰結
「スピリチュアル・マテリアリズム」
個人の神格化、無神論あるいは汎神論
ポストコロニアリスト、リードビーター
宗教からセラピーへ――「健康」という名の自家中毒
注
エピローグ 次の十年のために
【著者について】
加藤有希子(かとうゆきこ)
1976年、横浜市に生まれる。2026年度から専修大学文学部哲学科教授。前埼玉大学大学院人文社会科学研究科教授。専攻は美学、芸術論、色彩論。主な著書に、『新印象派のプラグマティズム――労働・衛生・医療』(三元社、2012年)、『点描の美術史――印象派から現代アートまで』(水声社、2024年)などが、小説に、『オーバーラップ――飛行あるいは夢見ること』(2023年)、『漆黒・桎梏』(2024年、いずれも水声社)などがある。
【加藤有希子の本】
クラウドジャーニー/加藤有希子/2000円+税
黒でも白でもないものは/加藤有希子/2000円+税
オーバーラップ――飛行あるいは夢見ること/加藤有希子/2000円+税
漆黒・桎梏/加藤有希子/2000円+税
点描の美術史/2500円+税