ホルヘ・ルイス・ボルヘス
無人称の文学空間をめざして
《知の革命家たち》
大西亮(著)
判型:四六判上製
頁数:165頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0983-7 C0397
装幀:宗利淳一
文学が膨大な文字の組み合わせにすぎないなら、作者という主体は言語の総体へと解消される――。古今東西の文学を渉猟し、引用やパロディを介して作品が作品を生成する営みを透徹した眼で見つめた博覧強記の作家は、その先に何を夢見たのか。文学の伝統を裏返し、書物をめぐる価値観を一変させ、虚構から現実を照射し、知の迷宮を駆け抜けた巨人の真髄に触れる。
【人物紹介】
ホルヘ・ルイス・ボルヘス
1899年にブエノスアイレスに生まれ、1986年にジュネーヴに没した。20世紀のラテンアメリカ文学、ひいては世界文学を代表する詩人、小説家、批評家。幻想的かつ形而上的な作風で知られ、書物や作者の虚構性と縦横に戯れる迷宮的世界を築き上げた。主な作品には、小説に『伝奇集』、『アレフ』、『砂の本』、詩集に『創造者』、批評に『続審問』、『ボルヘス・オラル』などがある。
【目次】
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの生涯と作品
「アルゼンチン的なもの」の探究と普遍性への志向
「作者性」の彼方を見据えて
「球体」と「円環」のモチーフ――ボルヘスの作品における空間と時間
「不敬」の作法――ボルヘスにおける伝統の再創造
めくるめくエッセーの世界――『続審問』を中心に
ボルヘスと探偵小説
ペロン時代のボルヘスと政治的意趣返し
盲目の詩人ボルヘス
ラテンアメリカ文学から世界文学の地平へ
【著者について】
大西亮(おおにしまこと)
1969年、神奈川県に生まれる。神戸市外国語大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻、ラテンアメリカ文学。主な訳書に、リカルド・ピグリア『人工呼吸』(2015年)、アドルフォ・ビオイ・カサーレス『英雄たちの夢』(2021年、いずれも水声社)などがある。