ミシェル・ビュトール
モビールとしての書物
《知の革命家たち》
石橋正孝(著)
判型:四六判上製
頁数:167頁
定価:2000円+税
ISBN:978-4-8010-0986-8 C0398
装幀:宗利淳一
小説の限界、書物の可能性
集合住宅の一夜の出来事を順々に描写し、異国の生活を綴る男の日記を回想と追記であふれさせ、汽車に揺られる最中にのみ呼びかけてくる謎の語り手をあらしめて、とある教室の一場面を引用によって浮かび上がらせる……緻密な構成によって小説の限界に挑んだ作家は、なぜ小説を手放したのか。次第に語り手は消失し、段落は増殖し、ページが反転しさえする書物をつくり続けた、読書行為の自由と可能性への飽くなき探究をいま繙く。
【人物紹介】
ミシェル・ビュトール
1926年にフランスのリール近郊モン゠ザン゠バルルに生まれ、2016年にコンタミーヌ゠シュル゠アルヴに没した。フランスの前衛文学〈ヌーヴォー・ロマン〉を代表する作家。小説特有の形式的制約を問う4作品を書き上げたのち、小説を離れ評論やエッセイを多数発表、後年は詩作にも打ち込んだ。主な作品には、小説に『ミラノ通り』、『時間割』、『心変わり』、『段階』、評論に『レペルトワール』、エッセイに『土地の精霊』などがある。
【目次】
ミシェル・ビュトール小伝
〈ビュトール宇宙〉探索にあたっての事前の小周航
小説および綺想曲
〈レペルトワール〉とそのほかの批評的エッセイ
〈土地の精霊〉とそのほかの場所をめぐる著作
画家たちとの共同制作――〈夢の物質〉シリーズほか
【著者について】
石橋正孝(いしばしまさたか)
1974年,横浜市に生まれる。パリ第八大学大学院博士課程修了。博士(文学)。立教大学教授。専攻、19世紀フランス文学。主な著書に、『〈驚異〉の旅または出版をめぐる冒険』(左右社、2013年)、主な訳書に、フォルカー・デース『ジュール・ヴェルヌ伝』(水声社、2014年)、ミシェル・ビュトール『レペルトワール』(全5巻、監訳、幻戯書房、2020-26年)などがある。
【関連書】
サン・マルコ寺院の描写/ミシェル・ビュトール/2500円